左右も確認せず、勢いよく玄関の出口を自転車で飛び出した。その瞬間、左側から自転車がブレーキをかける間もなくぶつかってきた。その勢いで左側に勢いよく倒れた。「やっちまった~」。相手の若い男性は「大丈夫ですか?」と声を掛けながら仰向けになった私を引き起こしてくれた。幸いに立てる。頭も打っていない。しかし胸の左側が痛い。我慢出来ないような痛みではなさそうだ。

 立ち上がった後、「すみませんでした。急に飛び出して」と謝ったが相手は「こちらこそ…」と逆に恐縮していた。まぁ私の不注意なのだから、しかも相手に怪我もなく怒鳴られなかったことを感謝した。

 買い物を済ませ家に着くと、打った所が痛くなってきた。暫くすれば良くなるだろうとベッドに休んでいたが、痛い部分を触ると何かガリガリと音がするような気がした。とりあえず同級生が院長をしている近くの整形外科を受診した。「じゃ、レントゲンを撮ってみようか」とレントゲン室に連れて行かれ、レントゲン写真を撮られた。それを見ると、骨折しているかどうかは判断出来ないと言う。しかしレントゲン写真の角度から骨折していても分からないこともあるのだそうだ。他人のレントゲン写真を出してきて「これは間違いなく骨折している写真。分かるやろ、ここの所!」よく見ると確かに骨の間に隙間がある。こうなると重症だという。そして私の写真も見ながら「やはりあんたも重症やね。」とニヤニヤしながら言う。それを聞き少しビビったが、きっと大したことはなかったので、同級生の彼は私を安心させたかったのだろう。

 次の日の朝、痛みがひかないので再度受診した。「とりあえず痛み止めと湿布、それと胸部を固定するコルセットで様子をみようか。3週間位はかかるよ…。」

 まぁ専門家が診断したのでそんなものだろうと思いながら帰宅した。すると昼はそうでもないのだが、夜、横になると今度は起き上がることも出来ない。左を向くとその部分が当たり、右を向くとその部分が引き攣れて痛いのだ。どの方向を向いても痛くてベッドから降りられない。もがきながら5分位してようやく起き上がれた。

 うちのスタッフにも何人か肋骨を折った人がいる。1人は救急搬送の時、体格の良い妊婦さんを運ぶ際に、体が激しくぶつかり骨折。もう1人は、ベッドに横になろうとしてベッドの肘にぶつけて折れたという。2人にその時の様子を訊ねると、やはり暫く痛くて仕事も出来なかったという。肋骨が折れた位でそんなに痛いのかと思うかも知れないが痛いのだ。特に深呼吸をする時に締め付けられたような胸の痛みを感じる。

 全ては私の不注意でこうなった訳である。あの時きちんと左右を確認していればこんなことも起こらなかったはずだ。これからはくれぐれも左右を確認し、安全運転を心掛けようと思う。痛みが早く無くなりますように祈りながら毎日を過ごしている。